日々:その三十二

5月1日(月)

ゆっくりと入浴後、縁側で涼む。蛙の合唱がお出迎え。

リビングに戻り、いただいた採れたてのいんげんと瓶ビール。

明日は朝一で映画を観る予定。



5月2日(火)

ラジオから江口洋介さんの’恋をした夜は’が流れる。

久しぶりに聴いたけどいい曲だなぁ。

思わず読書をやめて、メモ帳に歌詞を書いてみる。



’恋をした夜は

全てがうまくいきそうで

迷いのかけらも吹きとばし

夏の風にのり

君がやさしく微笑めば

ずっとどこまでも続く恋と

僕は信じてる’



うんうん。

こういう気持ち、あるよねぇ。



5月3日(水)

携帯電話を1時間眺めるなら、その時間を睡眠や読書に使った方がいいと思う。

健康や情報は自分から取りに行かないといけない。



5月5日(金)

大型連休中盤。

人々が休んでいるときに粛々と仕事をする。

小商の鉄則。



5月7日(日)

米国の雇用費、そろそろ弾けるのか。

どちらにしても恐ろしい国だ。



5月9日(火)

5時起床。

店は定休日。

直売所で店の買い出しをして、自宅2から西千葉へ。

午前中、店の雑務と一本打ち合わせ。

せっかくだから店の掃除をして、向かいの西千葉教会を眺めがら窓を拭く。

12時半、店長Gと待ち合わせ。

以前から訪問したいと願っていた3つ駅の離れたタイ料理屋さんへ。

天気も良好。せっかくだからと一駅分歩いて向かう。

気持ちの良い接客で料理も美味しい。

ごちそうさまでした。

15時、散髪。

17時、自宅2帰宅。

湯船で読書。

いただいた採れたてのそら豆とトマトときゅうり。

そして、今年初めての素麺で夕食。

お酒は飲まずに。

就寝前に読書1時間。

21時半にはベッドへ。

明日も5時起き。7時間睡眠は厳守。



5月10日(火)

積極的にCDを買い漁っている。

やはりレコードとCDで音楽を聴きたい。



5月11日(水)

早朝の地震。

西千葉の自宅1も相当に揺れた。

自宅2は大丈夫だろうか。

母親にメール。

すぐに返信あり。安心。



5月12日(木)

常にタイムキープ。体内時計を意識する。

自ずと時間の貯金となるだろう。



5月15日(月)

5時起床。

洗濯、掃除始める。

6時から散歩開始。

家から持参したドリップ珈琲片手に公園でしばし休憩。

ゲートボールに集う方々、まだまだ若いなぁ。

そこにも色恋があったりするのだろうか。


12時、車で鴨川方面へ。

日帰り温泉。7階の大浴場から海を眺めてゆっくりと体を労る。

目線越しに飛んでいる海鳥、貴方達は何を見ているのだろうか。

脱衣場で体重計に。

昨年の同じ月よりも確実に6kg減っている。

徐々に徐々にと約2年で減量を成功させた。

歯を完全治療すること、

体重を減らすこと(ある程度に)、

睡眠時間は7時間以上。2021年からのマイルール。

地味だけど大切なこと。

いつだってうさぎと亀。

粛々と継続する。

18時帰宅。

新玉ねぎの天ぷらで夕食。

夕食後、映画’AIR’鑑賞。

ベン・アフレックとマッド・デイモンの最強コンビ。

バスケットシューズ界、NIKEの一発逆転物語。



5月16日(火)

下北沢へ。

電車で川上未映子さんの新刊’黄色い家’を読み始める。

久しぶりに訪れたライブハウス下北沢シェルター。

そこは90年代の匂いがした。



5月17日(水)

岡本仁さんとカジヒデキさんのトークイベント’サンデープロミス’店頭予約開始。

知っている方々からの予約電話もたくさん入る。

とっても嬉しい。

ライブイベントとは別物で自分の中では歴史的イベントなのです。



5月18日(木)

欲しければ言うだけでなく’行動’しなくては。

鉄則。



5月19日(金)

外苑前へ。

帰路の電車にて、

スパーズ、ルーカルの退団を知る。悲しすぎ。



5月20日(土)

朝の散歩。

昨夜の楽しい会食の酒が抜けず、いつもより腕を振って歩く。

イヤフォンからはジャック・ジョンソン&デニス・ボヴェル。

公園の野球場、フェンス越しに「お兄ちゃんがんばれ~」と妹の声。

少し泣きそうになる。

こんなにも素晴らしい光景が世界中の朝には無数に広がっているのだ。



5月21日(日)

岡本仁さんからの素敵なテキストが届く。

嬉しいなぁこんな日が来るとは。

以下抜粋。

【日曜日の約束】6月11日の日曜日午前10時より「SUNDAY PROMISE」特別編をやります。今回のゲストはカジヒデキくん。テーマは「ぼくの好きな日本のバンド」。場所は西千葉の〈cafe STAND〉です。

昨年の9月15日に千葉県佐倉市の美術館で開かれていた安西水丸展を観に行った帰りに 友人が連れていってくれた西千葉駅近くのカフェでコーヒーを飲んだ。店内は入口のドアから壁から天井から いたるところにミュージシャンのサインが書かれている。自分の知っている名前もたくさんあって なんだか音楽の趣味が合いそうだなと思った。連れていってくれた友人によれば 店主は『リラックス』のファンだとのことで 帰り際に「フレッシュネスバーガー」の号にサインを求められた。それからしばらくして友人から「このあいだのカフェでサンデープロミスはできませんか?」と連絡があった。もちろん異存はない。ひとりで喋るのかなと思ったら 店主がゲストを考えてくれたのだが それがなんとカジヒデキくんだという。カジくんのことは知っているけれど 実はあまり話したことがない。一度だけ 札幌の中古盤店〈フレッシュエアー〉の前でばったり会って 二言三言あいさつのような会話をしたことがあったが たぶんそれだけじゃないかと思う。どんなテーマで何を話そうか考えた。カジくんはぼくより20歳以上も若い。だったらカジくんの好きな日本のバンドって何だろうと気になりだした。ふたりで交互に好きなバンドについて語りながらレコードをかける。たぶん絶対に面白いはず。カジくんからもOKの返事があったようだ。いったいカジくんは何を選ぶのだろうか。考えただけで楽しくなっている。



5月22日(月)

店長G、研修旅行先出発日。

成田空港から’行ってきます~。’とメールをくれる。


予約していたレストラン。

少し遅れたが、母の日ということでステーキと赤ワイン。

いつもありがとう。


自宅2近くの大きな公園のベンチで読書をしている時だった。

店長Gからの連絡が入る。

’無事到着しました。現地は豪雨です。’

宿泊先ホテルの窓越から見えるホーチミンシティの写真と共に。

東南アジア特有のスコールの洗礼。

豪雨でもそれはそれでいいじゃないか。

雨でも雷でも晴れでも、異国の地を大いに体感して欲しい。

一番怖いのは近くにいる人々だけでインプット・アウトプットすることだけになってしまって周りが見えなくなってしまうこと。

自分の事を誰も知らない世界に身を置いて己を知って欲しい。

旅先の未来は想像を遥かに超えてくる。



5月23日(火)

起き抜け、ビル・エバンスとトニー・ベネットのレコードをターンテーブルに。



5月24日(水)

素晴らしく好天。

汚れが気になるスニーカーを数足洗う。

見損ねていた映画、’華麗なるリベンジ’、’いつか家族に’’一気に鑑賞。



5月25日(木)

パクチャヌク監督の「別れる決心」鑑賞。

サスペンスとロマンス。

視線と目線。

男と女。

素晴らしいとしか言いようがない。

感服しました。

(再度鑑賞予定)



5月29日(月)

酩酊。

スプリングコートをなくし、Kindleもなくす。

おいおい、いい大人が色々となくしすぎだろうよ。

’「人間の業」の肯定とは、非常に抽象的な言い方ですが具体的にいいますと、人間、本当に眠たくなると「寝ちまうものなんだ」といっているのです。分別のある大の大人が若い娘に惚れ、メロメロになることもよくあるし、飲んではいけないと解っていながら酒を飲み、「これだけはしてはいけない」ということをやってしまうものが、人間なのであります。’

談志師匠の言葉だけが救いです。

業。カルマ。

自分を肯定します(私の自分勝手なのは重々承知です‥)。



5月30日(火)

川戸の森。

4月下旬に突然貼り出された紙には、

5月末日をもってこの広大な森は立ち入り禁止区域になるという。

千葉市と結んでいた提供契約は解除され不動産開発事業者に売却が決まった。


ここ最近、広告でも至る所でよく目にするこの不動産開発事業者。

「取得は事実だが、今後のことは決まっていない」とコメント。

巨大な森林を今後の予定もなく買取を決めるだろうか?

千葉市はもう少し説明が必要なのでは?


2023.5.27 東京新聞

千葉市民緑地急きょ「廃止」地権者と市、今月末で土地提供契約解除

https://www.tokyo-np.co.jp/article/252742



5月31日(水)

鳥達が鳴き出す早朝時間は一番好きな時間帯。

新しく買った本を姿勢を正して読み始める。

本は可能性を秘めた宝物だ。

情報は自ら取りに行き(つまり情報をネットから拾うのではなく)、

適切な判断を考え、正しい目標を掴み取る。

本は歴史的な生き物だと思っている。

サンデープロミス ’特別編’

自分にとって大切なもの。

季節を分け合う人々、音楽、お酒、本。そして、雑誌。

血眼になって読みあさり、古本屋でお目当ての特集号を探した「BRUTUS」「ku:nel」「relax」そこにはいつも岡本さんの名前がありました。

「暮しの手帖」岡本さんの連載を切り抜いたコピーを持参して、

旅にも出かけました。

2003年1月号の「Relax」特集はフレッシュネスバーガー。

この雑誌が僕のバイブルとなり、店を始めることができました。

編集長を務めていたのはやっぱり岡本さんでした。

昨年、ふとしたきっかけで岡本さんがご来店くださり、

今回このようなきっかけが生まれたことを大変嬉しく思っています。

そして、二つ返事で共演を快諾して下さったカジヒデキさん

(僕の頭の中で、共演はカジさん意外考えられませんでした。)にも

大変感謝しています。ありがとうございます。

6月の日曜日。

今から楽しみで仕方ありません。

よろしくお願いします。

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岡本 仁さんによる架空のラジオ番組「SUNDAY PROMISE」今回は特別編として、

ミュージシャンのカジヒデキさんをお招きし「ぼくの好きな日本のバンド」を

テーマとして、おふたりのクロストークと選曲をお楽しみいただきます。

日曜日の約束。

周波数をcafeSATNDに合わせて、皆様のご来場をお待ちしています。


【サンデープロミス ’特別編’】

日時:6月11日(日)

出演:岡本仁 / カジヒデキ

開場:9時半 / 開演:10時

料金:¥3000(ドリンク付き)

会場:cafeSTAND / 限定30名様

予約:店頭にて直接受付、5月17日(水)17時より、電話受付(043-254-2878)を開始します。

岡本 仁

編集者。1954年、北海道生まれ。

マガジンハウスにて『ブルータス』『リラックス』『クウネル』などの雑誌編集に

携わった後、2009年にランドスケーププロダクツ入社。

雑誌『暮しの手帖』や『& Premium』にてエッセイ連載中。

カジヒデキ

ミュージシャン。シンガーソングライター。音楽プロデューサー。

BLUE BOYS CLUB主宰。通称「ミスタースウェーデン」

日々:その三十一

4月1日(月)

体は人間、頭は犬。

ただただ惹かれた。欲しいと思った。

絵を購入した。

帰りの車中で、飾る場所(リビング)を決めた。



4月3日(月)

プライベートは存じ上げない。

己の姿勢、行動力、言動によって本気で啓蒙を続けていた坂本龍一さんには、

陰ながらシンパシーを感じてた。

村上春樹さんが新作を上梓し、宮崎駿監督が新作を撮るという。

まるで’若者にはまだまだ任せていられないよ。’と、言われているよう。

我々の世代、今こそ真剣に向き合う時ではないのか。



4月4日(火)

断片的な夢をいくつも見た。

夢の中で再会した女性は、数十年前に亡くなった人だった。

いや待てよ。もしかしてこの広い世界の何処かで生きているのかも。

なんて思ったり。



4月5日(水)

店長G、ベトナム行き日程が決まる。

本日はAIRチケット、ホテルの手配などを。

ホテルはマジェスティックサイゴン。

ここのホテルは是非とも経験してほしいのだ。

基本的にはホーチミン一区が旅の中心になるかと思うが、

思考、視線を色々な所へ向けてほしい。



4月6日(木)

世の中、要るものよりも要らないもが多すぎる。

ノイズをシャットダウン。

惑わされず。

自ずと必要なものは分かってくる。



4月7日(金)

自分が睡眠している間も世界のどこかでは朝であり、

仕事やバカンスに精を出している。

世界は休むことを知らない。



4月8日(土)

江戸川を越えて、お茶の水駅で下車。

’喫茶穂高’に行きたい欲を抑えつつ、神田明神へ向かう。

大好きなバンドのライブを観るために。



4月9日(日)

夕刻より弊店にてバンバンバザールのライブ。

メイドイン福岡、サウダージな夜。

昨年からスケジュールを擦り合わせつつ(何度も互いに調整つかず)、

やっと開催へ。

音楽、そして、ライブってやつは、ただただ良い。素晴らしい。

音楽を愛している。常に片想いだけど。



4月10日(月)

店長Gを連れて(喜んでくれて何より。)大多喜町のレストラン再訪。

やっぱり素敵なレストラン。

今回は忘れずに食後にプリンを注文。

夜は木更津、某居酒屋にて情報交換会。

とても重要なことを。



4月11日(火)

自宅2、近所の田植えが始まった。

夕方になるとカエルの鳴き声。

季節が変わった瞬間。



4月12日(水)

ニューズウィーク購入。特集は坂本龍一さん。

大江千里さんの寄稿文、泣けた。



4月13日(木)

’せんたくマグちゃん’を信じている。

長年にわたる実戦結果における私の黄金比率は、

せんたくマグちゃん投入+市販洗剤(オーガニック)10グラム程。

これでとても綺麗になるし、匂いもスッキリ。

あまり洗剤を使わずに済むし、おまけに洗濯機も綺麗に。



4月17日(月)

ついに携帯電話を購入。

現在使用中は、iPhone5s。

いつ購入したか(2015年頃かな)覚えてないくらいの代物だ。

手に馴染んで、とっても気にいっているけど充電がもたない、音が鳴らない。

ここ最近悩みは尽きないのであった。

気風の良い大阪弁の店員。

「バージョン上げると使えなくなりますし、そろそろサポート外ですよっ。

機種自体は、めちゃカッコいいっすけどぉ、

ほんま、オールドクラシックとか言ってられないっすよっ!!

データの移行も出来なくなるし、うちで購入しなくても全然いいから、

お兄さんのためにも、マジで変えた方がいいっすよ・・ほんま、壊れる前に。」

なるほど~。と。お兄さん(私)首を縦に振る。

一括購入。

ホワイトやブラックじゃいつもと同じなので、カラフルな色のiPhoneを。

これからよろしくね。



4月18日(火)

ホームページ完成。

M君と、稲毛駅。いつもの居酒屋へIN。

鰹の刺身で乾杯。



4月19日(水)

これは、、、すごいことに。

金融革命。

2023.4.19日経新聞

アップル経済圏、次は金融

米で預金参入、年利4.15%「iPhone」1億人の囲い込み狙う

米アップルのスマートフォンを中心とする「経済圏」が拡大し、

影響が金融分野にも及び始めた。米国で17日に預金サービスを始め、

同国だけでも1億人を上回るiPhone利用者を囲い込む考えだ。

高いブランド力を生かして預金の獲得を進めると、米地銀には新たな逆風となる。

アップルは米金融大手ゴールドマン・サックスと組み、

米国で預金サービスを始めたと発表した。



4月20日(木)

‘いい歌詞でっていうだけじゃ嫌なんですよ。心を動かされるもの、

他にはどこにもないような歌じゃないと、もう興味ないんですよね。’

フィッシュマンズ全書、再読。

鳥肌立つよね。この言霊は。



4月22日(土)

‘先のことを考えてもバカバカしい。そのとおりになったことはないから。

だからおれは今日も絵を描く’

大竹伸朗さんの言葉。

大いに膝を撃つ。



4月23日(日)

お金を一銭も使わない日。

足るを知る。



4月24日(月)

歯医者の予約日を間違えていた。予約の取り直し。

時間がぽっかり空く。

近くの公園でベンチに座って缶ビール。

iPhoneからフランク·オーシャン。

音楽をグレン·グールドのバッハ:ゴールドベルグ変奏曲に変えて読書に勤しむ。

つまるところ、こんな時間が一番幸せな時間なのかもしれない。



4月25日(火)

いまだにマスクを外す外さないで論議を交わしている日本。

ホテル代も旅費も今後一切値下がりはしないだろう。

全てが外国人シフトになっていく。

高い、コスパが悪いなんて文句を言い続けるのは日本人だけ。

’技能実習生’などと外国人を未だに下にみるような言い方を平気でしている

日本のメディア。全て自業自得だ。


私はもう一度世界を経験する事を決めている。

必ずだ。

そのためにこの空白の三年間を無駄にはしなかった。



4月26日(水)

自宅2。

朝起きると珈琲豆が切れてる。

しかたなくお湯を沸かしインスタントコーヒーを。

久方ぶりに飲んだインスタントコーヒーは、バンコク·カオサン通りの味だった。



時間だけはたっぷりとあった。

本を数冊持って投宿しているゲストハウスの一階にあるレストラン、

朝はマンゴーシェイクとインスタントコーヒー。

夜はチャンビールを毎日飲んでいた。

何日目かの早朝、二杯目のインスタントコーヒーを飲み終えた時、

斜め後ろから声をかけられた。

私よりもとても若い韓国と米国のハーフの女性で名前はHと言った。


H「あの、すいません。こんにちは。あなた、毎日このテーブルにいますよね?」

私「いますね笑。やることないので。と言うか、今回の旅は沢山の本を読みたくてバンコクに来てます。」

H「どこにも行かないの??」

私「イエス。今回の旅はどこにも行かない。唯一の目的はこのレストランで本を読んで、夕方になったら、このレストランでビールを飲むことだけ。」

H「はぁ····(不思議そうに)。」

私「君もこの宿に泊まっているのかな?」

H「はい。そうです。毎日ここから出かける時にあなたを見かけます。帰ってくる時も同じ場所であなたを見かけます。気になっていました。」

私「確かに、ずっといるからね笑」

H「ラオスは行ったことありますか?行ってみたくて。」

私「イエス。首都のビエンチャンもいいけど、おすすめはルアンパバーンかなぁ。Fゲストハウスから見えたメコン川に沈む夕日はとても刹那でビューティフルな体験だったよ。」

H「そうですか。あの、よかったら旅の話をもっと沢山聞かせてくれませんか?」

私「もちろんだよ。僕の旅の話でよければいつでも。ところでHさん、その着ているTシャツのバンド好きなの?」

H「はい。とってもクールでセクシーだと思います。今、好きになりかけてます。」

私「OK、とりあえず今夜食事をしない?旅の話もだけど、そのバンドについてもたくさん話したいことがある。」

H「OK そうしましょう。」


ロックバンド’oasis’のロゴTシャツを着た彼女にパフラット市場にある

カレー屋の名前と簡単な地図を書いたメモを渡し一旦解散。

インド街の喧騒の中をかき分け、

今にも潰れかけそうな軒先でスパイスの効いたカレーを二人で頬張り、

ホットチャイを飲んで何時間も話し込み、チャオプラヤー川を船で移動して、

カオサン通りのお気に入りのBARでバドワイザーをしこたま飲んだあと、

クラブに移動しテキーラで乾杯し朝まで踊り狂った。


この夜の出来事を境に私の読書旅行は終止符となる。


翌日、チャイナタウンの屋台で隣に居合わせた西洋人から

’カンボジアのアンコールワットにオフィシャルで発表されていない遺跡がある。

現地に行ってバイクタクシーを雇えば連れて行ってくれるよ。

素晴らしい遺跡だった。’と有力な情報。

二人で目を輝かせた。

三日後。

僕たち二人はカンボジアの首都プノンペンに向かった。



スタート地点だった私の旅も、今や折り返し地点を超えたあたりだろうか。

だが、まだまだ旅の途中。

思いっきり生きよう。