日々:その三十一

4月1日(月)

体は人間、頭は犬。

ただただ惹かれた。欲しいと思った。

絵を購入した。

帰りの車中で、飾る場所(リビング)を決めた。



4月3日(月)

プライベートは存じ上げない。

己の姿勢、行動力、言動によって本気で啓蒙を続けていた坂本龍一さんには、

陰ながらシンパシーを感じてた。

村上春樹さんが新作を上梓し、宮崎駿監督が新作を撮るという。

まるで’若者にはまだまだ任せていられないよ。’と、言われているよう。

我々の世代、今こそ真剣に向き合う時ではないのか。



4月4日(火)

断片的な夢をいくつも見た。

夢の中で再会した女性は、数十年前に亡くなった人だった。

いや待てよ。もしかしてこの広い世界の何処かで生きているのかも。

なんて思ったり。



4月5日(水)

店長G、ベトナム行き日程が決まる。

本日はAIRチケット、ホテルの手配などを。

ホテルはマジェスティックサイゴン。

ここのホテルは是非とも経験してほしいのだ。

基本的にはホーチミン一区が旅の中心になるかと思うが、

思考、視線を色々な所へ向けてほしい。



4月6日(木)

世の中、要るものよりも要らないもが多すぎる。

ノイズをシャットダウン。

惑わされず。

自ずと必要なものは分かってくる。



4月7日(金)

自分が睡眠している間も世界のどこかでは朝であり、

仕事やバカンスに精を出している。

世界は休むことを知らない。



4月8日(土)

江戸川を越えて、お茶の水駅で下車。

’喫茶穂高’に行きたい欲を抑えつつ、神田明神へ向かう。

大好きなバンドのライブを観るために。



4月9日(日)

夕刻より弊店にてバンバンバザールのライブ。

メイドイン福岡、サウダージな夜。

昨年からスケジュールを擦り合わせつつ(何度も互いに調整つかず)、

やっと開催へ。

音楽、そして、ライブってやつは、ただただ良い。素晴らしい。

音楽を愛している。常に片想いだけど。



4月10日(月)

店長Gを連れて(喜んでくれて何より。)大多喜町のレストラン再訪。

やっぱり素敵なレストラン。

今回は忘れずに食後にプリンを注文。

夜は木更津、某居酒屋にて情報交換会。

とても重要なことを。



4月11日(火)

自宅2、近所の田植えが始まった。

夕方になるとカエルの鳴き声。

季節が変わった瞬間。



4月12日(水)

ニューズウィーク購入。特集は坂本龍一さん。

大江千里さんの寄稿文、泣けた。



4月13日(木)

’せんたくマグちゃん’を信じている。

長年にわたる実戦結果における私の黄金比率は、

せんたくマグちゃん投入+市販洗剤(オーガニック)10グラム程。

これでとても綺麗になるし、匂いもスッキリ。

あまり洗剤を使わずに済むし、おまけに洗濯機も綺麗に。



4月17日(月)

ついに携帯電話を購入。

現在使用中は、iPhone5s。

いつ購入したか(2015年頃かな)覚えてないくらいの代物だ。

手に馴染んで、とっても気にいっているけど充電がもたない、音が鳴らない。

ここ最近悩みは尽きないのであった。

気風の良い大阪弁の店員。

「バージョン上げると使えなくなりますし、そろそろサポート外ですよっ。

機種自体は、めちゃカッコいいっすけどぉ、

ほんま、オールドクラシックとか言ってられないっすよっ!!

データの移行も出来なくなるし、うちで購入しなくても全然いいから、

お兄さんのためにも、マジで変えた方がいいっすよ・・ほんま、壊れる前に。」

なるほど~。と。お兄さん(私)首を縦に振る。

一括購入。

ホワイトやブラックじゃいつもと同じなので、カラフルな色のiPhoneを。

これからよろしくね。



4月18日(火)

ホームページ完成。

M君と、稲毛駅。いつもの居酒屋へIN。

鰹の刺身で乾杯。



4月19日(水)

これは、、、すごいことに。

金融革命。

2023.4.19日経新聞

アップル経済圏、次は金融

米で預金参入、年利4.15%「iPhone」1億人の囲い込み狙う

米アップルのスマートフォンを中心とする「経済圏」が拡大し、

影響が金融分野にも及び始めた。米国で17日に預金サービスを始め、

同国だけでも1億人を上回るiPhone利用者を囲い込む考えだ。

高いブランド力を生かして預金の獲得を進めると、米地銀には新たな逆風となる。

アップルは米金融大手ゴールドマン・サックスと組み、

米国で預金サービスを始めたと発表した。



4月20日(木)

‘いい歌詞でっていうだけじゃ嫌なんですよ。心を動かされるもの、

他にはどこにもないような歌じゃないと、もう興味ないんですよね。’

フィッシュマンズ全書、再読。

鳥肌立つよね。この言霊は。



4月22日(土)

‘先のことを考えてもバカバカしい。そのとおりになったことはないから。

だからおれは今日も絵を描く’

大竹伸朗さんの言葉。

大いに膝を撃つ。



4月23日(日)

お金を一銭も使わない日。

足るを知る。



4月24日(月)

歯医者の予約日を間違えていた。予約の取り直し。

時間がぽっかり空く。

近くの公園でベンチに座って缶ビール。

iPhoneからフランク·オーシャン。

音楽をグレン·グールドのバッハ:ゴールドベルグ変奏曲に変えて読書に勤しむ。

つまるところ、こんな時間が一番幸せな時間なのかもしれない。



4月25日(火)

いまだにマスクを外す外さないで論議を交わしている日本。

ホテル代も旅費も今後一切値下がりはしないだろう。

全てが外国人シフトになっていく。

高い、コスパが悪いなんて文句を言い続けるのは日本人だけ。

’技能実習生’などと外国人を未だに下にみるような言い方を平気でしている

日本のメディア。全て自業自得だ。


私はもう一度世界を経験する事を決めている。

必ずだ。

そのためにこの空白の三年間を無駄にはしなかった。



4月26日(水)

自宅2。

朝起きると珈琲豆が切れてる。

しかたなくお湯を沸かしインスタントコーヒーを。

久方ぶりに飲んだインスタントコーヒーは、バンコク·カオサン通りの味だった。



時間だけはたっぷりとあった。

本を数冊持って投宿しているゲストハウスの一階にあるレストラン、

朝はマンゴーシェイクとインスタントコーヒー。

夜はチャンビールを毎日飲んでいた。

何日目かの早朝、二杯目のインスタントコーヒーを飲み終えた時、

斜め後ろから声をかけられた。

私よりもとても若い韓国と米国のハーフの女性で名前はHと言った。


H「あの、すいません。こんにちは。あなた、毎日このテーブルにいますよね?」

私「いますね笑。やることないので。と言うか、今回の旅は沢山の本を読みたくてバンコクに来てます。」

H「どこにも行かないの??」

私「イエス。今回の旅はどこにも行かない。唯一の目的はこのレストランで本を読んで、夕方になったら、このレストランでビールを飲むことだけ。」

H「はぁ····(不思議そうに)。」

私「君もこの宿に泊まっているのかな?」

H「はい。そうです。毎日ここから出かける時にあなたを見かけます。帰ってくる時も同じ場所であなたを見かけます。気になっていました。」

私「確かに、ずっといるからね笑」

H「ラオスは行ったことありますか?行ってみたくて。」

私「イエス。首都のビエンチャンもいいけど、おすすめはルアンパバーンかなぁ。Fゲストハウスから見えたメコン川に沈む夕日はとても刹那でビューティフルな体験だったよ。」

H「そうですか。あの、よかったら旅の話をもっと沢山聞かせてくれませんか?」

私「もちろんだよ。僕の旅の話でよければいつでも。ところでHさん、その着ているTシャツのバンド好きなの?」

H「はい。とってもクールでセクシーだと思います。今、好きになりかけてます。」

私「OK、とりあえず今夜食事をしない?旅の話もだけど、そのバンドについてもたくさん話したいことがある。」

H「OK そうしましょう。」


ロックバンド’oasis’のロゴTシャツを着た彼女にパフラット市場にある

カレー屋の名前と簡単な地図を書いたメモを渡し一旦解散。

インド街の喧騒の中をかき分け、

今にも潰れかけそうな軒先でスパイスの効いたカレーを二人で頬張り、

ホットチャイを飲んで何時間も話し込み、チャオプラヤー川を船で移動して、

カオサン通りのお気に入りのBARでバドワイザーをしこたま飲んだあと、

クラブに移動しテキーラで乾杯し朝まで踊り狂った。


この夜の出来事を境に私の読書旅行は終止符となる。


翌日、チャイナタウンの屋台で隣に居合わせた西洋人から

’カンボジアのアンコールワットにオフィシャルで発表されていない遺跡がある。

現地に行ってバイクタクシーを雇えば連れて行ってくれるよ。

素晴らしい遺跡だった。’と有力な情報。

二人で目を輝かせた。

三日後。

僕たち二人はカンボジアの首都プノンペンに向かった。



スタート地点だった私の旅も、今や折り返し地点を超えたあたりだろうか。

だが、まだまだ旅の途中。

思いっきり生きよう。