日々:その三十六

9月1日(金)

年々、大人が寛げる居酒屋がなくなっている気がする。

寂しい限りだ。


9月2日(土)

仕事を終えて、22時、自宅2帰着。

明日から北海道小樽へ。荷物のパッキングなど。

久しぶりの旅となる。

新しい場所や土地へ出向くのも、とても大好きなんだけど、

好きになった街へたびたび訪れるのも、これまた好きな旅のスタイル。

街の地図は頭に入っているので、あまり予定を決めず存分に楽しみたいと思う。


9月3日(日)

おにぎりを持参し、アクアラインを抜けて羽田空港へ。

ANA便、6時35分フライト。

JAL便にて一足先にフライトしている今回の旅の同行者、Sくんと新千歳空港で合流。

札幌駅のホームでおにぎりを食べながら、お目当ての電車を待つ。幸せな時間。

函館本線で小樽駅へ。海沿いを直走る本線。

車掌から見えるこの風景を見るだけでもここへ戻ってきた価値が十分にある。

サッポロラガークラシックとあんかけ焼きそばで乾杯。

その後、長崎屋裏にあるレコード屋’音とこだま’さんへ。

レジ前にはweezerのポスター、入り口脇にサニーデイ・サービスのポスター。完璧。

(結局、滞在日全日お邪魔させていただきました。素晴らしいお店。)

デレク・アンド・ザ・ドミノス(すでに2枚所有しているというのに!!)、

ミルト・ジャクソン&マイルス・デイビス、ジム・ホールの3枚購入。

店主も今夕のサニーデイ・サービスのライブに行くとのこと。

今回、私の旅の一つの目的は、北海道でサニーデイのライブを観ることだ。


整理番号83。

入り口物販付近にいたマネージャーMさんに気づかれないように通過。

しかしながら、トイレ入り口付近で映像班のSSさんにばったり遭遇してしまう。

SS「はぃ!??なんでここに??ありえないでしょ!!笑。ここ北海道だよ!!」

私「観に来ました」

SS「わざわざ笑??」

私「うん。面白いでしょう笑」

’てきとうに笑って生きてた過去なんてないから

いま涙があふれるの止めることもできないから

ごまかすための道具も逃げ場所も持ってないから’

サニーデイ・サービス『雨が降りそう』

ハルシゲさんの急逝から1年間のライブ活動休止。

2020年元旦に突如発表された復活の歌。

その場で泣いてた人は、私だけではないだろう。

30数曲、3時間越えのライブ。

25年くらいサニーデイを観てるけど、今日が一番よかった。うん。ほんとに。


終演後、

SS「ソカさんが塚本くん控室に呼んでって。一緒行こう。」


曽我部さん「マジで来てたの笑!!」

私「はい。世界で一番大好きなバンドを観に来ました。」

曽我部さん「うん。うん。ほんとありがとう。」



その後、お互いの近況だったりをたっぷり話してLINEを交換した。

やっぱり人生って素晴らしいんだよ。


9月4日(月)

休日の店長G、小樽駅で合流。

昼食。

海の幸を豪快に且つ存分に食らう。

サッポロクラシックビールと共に。

夜は小樽の名店’金太の金太’へ。

新鮮なお肉を豪快に且つ存分に食らう。

サッポロクラシックビールと共に。


9月7日(木)

人間(人生)のバランスはうまくいかない。

酒はね、楽しむくらいがちょうどいい。

ストレスまで抱えて飲んじゃうと、大失敗。

それは止めるべきですね。


9月8日(金)

台風。

今まで店でレコードを流し続けているが(16年ほど)、

本日夕暮れ時のニール・ヤング’Tonight`s The Night’の響きは抜群だった。

毎日、毎日、感情も含めて音色は変わる。

音楽は普遍の生き物なのだ。


9月9日(土)

夏は行ってしまった。


9月10日(日)

店は午後3時まで。

夕刻からは有馬くんのライブ。

本日からライブスタッフとしてAくんが初出勤。

自らもバンドを組んでいて、

店の営業中に緊張しながら私に直接声をかけてくれて今回に至る。

楽しみや、やりたいことってのは向こうからはやって来ない。

自ら探して、アタックして掴み取ることが大切。

人は出会わなければ気づかないのです。

Aくん、期待しています。


9月11日(月)

自宅2にて、UCC(内房カレークラブ)の日。

ポークビンダルー、卵のカレー、豆のカレー、オクラのヨーグルトカレー、

モロへイヤの天ぷら、サラダ、諸々数えきれない品々を食卓にべて、

レコードを流しながらメンバー(現在5名)でワイワイと食べる。

なんとも幸せな時間。

メンバーは随時募集中です。

カレーと人が好きな方は、どなたでも入会できます。

月曜開催ですが昼時から木更津方面に来れる方、ぜひ。


9月12日(火)

モーニングショーで千葉劇場に駆け込み映画’福田村事件’を鑑賞しひたすら落ち込んだあと、

贔屓の蕎麦屋で瓶ビールと板わさ、最後にせいろ一枚いっとくか。と意気揚々向かうも満席で断念。

優しい歌声を欲してディスクユニオンにてカーメン・マクエレのレコードを一枚購入。

千葉そごうの三省堂書店で新書を二冊。ロフトで万年筆のインクを購入。

切符を買って電車に乗車、バスに乗り換えて、好きな人に会いに行って白ワインで乾杯。

自宅1には普段西千葉駅から帰るのだが、今夜は京成みどり台駅から帰宅した。

帰り道に思う。

その昔、ここには大きなスーパーがあってパンを買ったりした。

その先には蕎麦屋があって口開けに行って瓶ビールをよく飲んだ。

またその先には長屋みたいな大衆居酒屋があって一番奥の席で酎ハイと煮込み。

秋には炭で焼いてくれた秋刀魚なんか食べたっけ。

大きなスーパーも蕎麦屋も長屋の大衆居酒屋も全て今は無い。

資本主義には逆らえないのだろうか。

時々この街から離れたいと思ったりするんだ。


9月15日(金)

あの頃は若過ぎて

悪戯に傷つけあった二人

色褪せた哀しみも今は

遠い記憶 Sweet memories

失った夢だけが

美しく見えるのは何故かしら

過ぎ去った優しさも今は

甘い記憶 Sweet memories

これを小山田壮平が歌うと絶品なんだよな。

壮平くん、久々に会いたいな。

LINEしてみよう。


9月16日(土)

共同通信

’個人タクシー、80歳まで容認 - 国交省、過疎地の交通確保’

過疎地での80歳のタクシドライバー容認。

ライドシェアと電動自動車がスタンダードになりつつある世界。

一歩後退する恐ろしい改悪を容認する我が国、日本。

東京オリンピックあたりから(それ以前からですが)タクシーのライドシェアが参入することができないのは調べればすぐ分かりますが、あまりにもひどい。

私の母親よりも目上の80歳の運転手タクシー。

どう考えてもさぁ、おかしくないかい。


9月17日(日)

外食。

便利な食べ物はむしろそこらじゅうに蔓延っている。

24時間営業すら存在する。

栄養があるかは定かではないが。

食材は当然痛むもの。

食事は食べられる時間が決まっていると思う。

生き生きとしている食べ物を口にしたい。

そんな店で外食をしたいし、自分の店もそうでありたい。


9月19日(火)

8時起床。少し寝過ぎてしまった感じ。

着替えて10時前に散髪。いつもより短くしてもらう。

店の買い出しを終えて帰宅。

エラ・フィッツジェラルド’エラ・イン・ベルリン’を聴きながら食事の準備を。

食後、一本連絡あり。

田舎道、畑を横目に自転車にていちじくをもらいに行く。

髪が軽くて自転車に乗るのが気持ち良い。

夕方、店長Gと合流。

店で履くスニーカーを二足購入。

我々は12時間立ちっぱなしが日常茶飯事なので、

いわば商売道具であるスニーカーはとても慎重に選ぶ。

帰宅し、ランニングを1時間。

夕飯を済ませて、なにか面白い映画観たいなぁーと思い、

’エクストリーム・ジョブ’をチョイス。何回観ても最高。

観賞後、当然ながらチキンが食べたくなってしまう。


9月21日(木)

千葉、静岡、名古屋とホテルの手配を。


9月23日(土)

新聞の書評で気になっていた本、’日本一長く服役した男’一気に読了。


9月25日(月)

7時起床。

珈琲を淹れる。

母との食事の日。先月は会えず、約二ヶ月ぶりに。

出かける寸前、腕時計の針が止まっていた。

手巻きの腕時計故に時間が止まってしまう。

竜頭を巻きながら考える。

この時計を購入したのは25年前。

サラリーマン一年目、8月の給料と貯金全額をカバンに詰め込み購入したんだよなぁと。

自分の道具を見渡すと長年使用する相棒ばかりになってきた。

腕時計、万年筆、ボールペン、辞書、ラジオ、ターンテーブル、かばん、筆箱などなど。

愛着のあるものにリスペクトを。

それは人でも物でも空間でも変わらない。

消費社会は私には必要ないのだ。


9月26日(火)

6時起床。

体重測定。

全ての窓を全開に。ここまでは、自宅2にいる場合の毎日の儀式。

珈琲を淹れる。

手のマッサージ。

ターンテーブルには、ルイス・ヴァン・ダイク’ナイト・ウィングス’を。

ベースラインが素晴らしい。

デンマークが生んだ天才ベース奏者ニールス・ペデルセン。

こんな朝にはピッタリだ。

出納帳、メモ帳の整理を。


9月27日(水)

22時半、サイモン&ガーファンクルを聴き終え、さて、次はフレディ・ハバードのトランペットで麦酒でも飲むか‥と思った時、携帯電話に着信。

画面にはYの文字。

話すだけでも楽になることもあるよね。これは私も思う。

「最後に聞いていい?耕平さぁ、今も変わらず白いシャツ着て袖2回まくってるの?」

答えはYESだ。

同世代。

現状の彼女にそれなりに何かがあったのかもしれない。

出会いもあれば、別れもある。

人生それなりに過ごしてきたし、忘れられない人がいても当然だろう。

電話ありがとう。

とても感謝しているよ。